2020年も残りわずかになりました。少し早いですが今年のまとめと、来年の方針を書いてみたいと思います。
2020年の振り返り
2020年前半
少し前から株は保有していましたが、筆者にとっては本格的に株式投資を始めたのが2020年の1月になります。
1~2月に数銘柄の日本株を買った後、コロナショックが起きました。人それぞれ、投資を始めた時期によって暴落初体験のタイミングは違うわけですが、筆者は投資を始めて2ヶ月で10年に一度クラスの大暴落を経験したことになります。
この時は自らの投資方針も確立しておらず、まさに投資初心者でした。保有する株式の時価が連日どんどん落ちていくのを見て、初めて投資の怖さを知りました。
しかし慎重な性格が幸いして、初期からある程度ドルコスト平均法的な買い方をしていたため、暴落前はさほど大した保有額ではなく今も市場に居座り続けることが出来ています。
書籍、YouTubeなどで1年間学んだ結果、今では高配当株投資という確固とした投資方針が確立しましたが、これが確立していなかったコロナショック時、「これは明らかに失敗だったな」と思っている取引を紹介します。
人生で初めて買った株は吉野家ホールディングスでした。買った理由は、昔から行きつけの飲食店であり、優待券がもらえると知ったからです。2018年秋頃に約1,800円で購入し(この頃は投資の「と」の字も知りませんでした)、2019年秋頃に約2,700円で売却しました。その後も上昇は続き、2020年1月に3,050円の高値を付けた後、コロナショックにより暴落します。
筆者は当時、主に株主優待投資に興味を持っていて、投資対象にしていたのは全て株主優待銘柄でした。優待の神様こと桐谷氏の著書「定年後も安心! 桐谷さんの株主優待生活」に記載されていた、売った金額以上の値段で買い戻さないこと、を参考に再び約2,700円で買いの指値を入れました。結果、売った金額と同額の約2,700円で再び約定しました。
ミスだったと思う理由は、投資方針が「総合利回りを重視」から、いつの間にか「キャピタルゲイン目的」に変わってしまっていたからです。
約1,800円で購入した当初は、買値に対して配当+優待の総合利回りは4%は超えていました。「総合利回り4%以上」を買いの基準にしていたのです。この基準を堅持すべく、再び約1,800円くらいまで落ちてきてから買い戻すべきだったのに、実際には「もっと株価が上がるだろう」と欲を出して約2,700円で買い戻してしまいました(この時の買値に対する総合利回りは2%台です)。
結果、現在も保有しており、12月現在の時価は約1,900円で約8万円(@800円×100株)の含み損を抱えています。
含み損を抱えること自体は、投資にはつきものだと思っているので良いのですが、投資方針から逸脱した取引は記憶に残ります。例え結果的に含み損を抱えることになっても、一貫した投資方針の元に(つまり後になっても自ら納得できる)取引することが重要だと学んだ例でした。
2020年後半
さて、実質的に投資初年度であった2020年ですが、一からの学びの一年でもありました。
株主還元への積極的姿勢、先進国の中では珍しい人口増加国、競争力の高いビジネスモデルを持つ企業が多数など、米国株の力強さを学び、夏以降は米国株投資がメインストリームとなっていきました。
自分の投資目的(FIREを達成すること)と、それを達成するための手段である投資方針(高配当株投資)が固まり始めたのがこの頃だったと思います。
ETFではSPYD、HDV、PFFなど、個別銘柄ではXOM、T、IBMなど、いずれも高配当のものを購入していきました。また、ポートフォリオ全体に占めるリスクを下げる目的で債券ETFのAGGなども購入しています。
日本株も含めると、銘柄数は20を超えるようになり、管理の手間とのバランスを考え始めた時期でもありました。
ここで自戒の意味も込めて、もう一つ失敗談を紹介します。
9月にXOMを39ドル台で購入した後、なおも下げ止まらず30ドル前半台で株価が推移していました。「前回の買値から20%下落したところで買い増ししよう」と思い、10月に31ドル台で指値を入れました。ある日の朝、株価の動きをチェックしたところ、この指値に引っかかっているはずでしたが約定していませんでした。それもそのはずで、注文有効期限が週末までとなっており、この日の取引は翌週明けだったのです。つまり注文の更新が出来ていなかったのです。結果的に、買い逃した31ドル台が直近の底値となりました。もちろん底値だったことはたまたまですが、このような管理上の失敗も記憶に残るのでなるべく避けたいものですね。
2020年後半は米国大統領選挙後など、強気相場も経験することになりました。特に11月以降はトータルとしては含み益が出ている状態ですが、あくまでもこれは未実現利益であり、引き続き配当を目的とした自らの投資方針を堅持することに腐心したいと思います。
やはり重要なのは、自らの投資目的と、その手段である投資方針を確立した上で、一貫した取引を継続することだと考えます。
まとめ
大事なのは、確立した投資方針に従って行動すること、周囲に振り回されないこと。
一方で、当初のプランに固執しすぎないこと、ライフステージやその時々の状況に柔軟に対応することも大事かなと思っています。
自分は高配当株投資家であり、基本的にはバイアンドホールド戦略であることを忘れないこと。
一瞬でお金持ちになる可能性があるようなハイリスクハイリターンな投資は選好しておらず、ゆっくりと実感を伴いながら豊かになれる投資を選好していることを忘れないこと(全体としてはという意味であり、一部ではハイリスクハイリターンの商品を保有することはあるかもしれません)。
ドラスティックな環境変化が起こらない限り、これらを叶えるために自分に適したツールは高配当株投資であると現時点では考えています。
なお、本格的な投資元年ということもあり、保有残高がまだ大した金額ではないこと、リターンを減らしてしまう敵として名高い売買手数料を抑えること、の理由から2020年末はリバランスは行わないこととしました。
2021年の投資方針
高配当株の定期買付を継続
現在の強気相場がいつまで続くかは不明ながらも、今年一年間で確立した投資方針は来年も変えるつもりはありません。(筆者の投資方針についてはプロフィールをご覧ください)
暴落時に買い増しをするための余剰資金は一定量確保しつつ、毎月継続的に高配当株を購入していきます。
このうち、具体的な行動を下記にいくつか記します。
非課税口座をフル活用
まずはじめに、非課税口座をフル活用します。
我が家では、筆者と妻名義で一般NISAを開設しています。さらに長男名義でジュニアNISAも開設しました。2021年はこれら320万円分(一般NISA120万円×2人+ジュニアNISA80万円)の非課税口座を使って株などを買い進めていきます。
ただし、非課税枠を使い切ることには固執しません。例えば、ジュニアNISAは長男の大学進学費用の一部を準備する目的で、子ども手当の15,000円を投資信託(eMAXIS Slim 米国株式【S&P500】)の定期買付に回します。つまり80万円の枠のうち、使う予定としては年間18万円分ですね。
投資信託は特別な設定をしない限り配当は自動的に再投資されるので、ほったらかしで良いというメリットがあります。円建てなので外貨を用意する必要もありません。既に定期買付の設定を済ませたので、もう何もやることはありません(笑)。ドルコスト平均法で淡々と定期買付が行われていくのみです。
筆者と妻名義の一般NISA口座では、高配当ETFの買付をメインに、高配当又は連続増配個別銘柄の買付をサブに、引き続き買付を進めます。
一般NISA口座でETFの買付を行うと、売買手数料が無料なのがありがたいですね。NISAですから売却益と配当に税金がかからないのは当然ですが、売買手数料が無料なのも見逃せません。個別の米国株を買うと、通常0.45%の売買手数料がかかりますが、これをゼロに出来るのも魅力です。ちなみに、筆者はSBI証券を利用しています。
銘柄数を増やしすぎない
筆者は現在、個別銘柄だけでも約20の銘柄を保有しています(米国株と日本株で半分ずつくらい)。
先述の通り、米国株が色んな意味で強力なのは理解しましたが、為替リスクも考慮して日本株も保有しています。
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個別銘柄を保有している理由は2つあります。
①コア・サテライト戦略を採用していること
筆者はいわゆるコア・サテライト戦略のポートフォリオを組んでいます(現状はまだ理想の形になっていませんが)。1つ目の理由は、この戦略を採用するために個別銘柄を入れる必要があるからです。
個別銘柄を保有するということは、倒産リスクも含めて、ETFや投資信託を保有するよりも相対的に高リスクを負うことになります。一方で、利益成長次第では市場平均よりも高リターンが実現することもあります。
筆者は、コア部分のETFで市場平均的なリスクリターンを取りつつ、サテライト部分の個別銘柄でより高いリスクリターンを取り、総合として市場平均+αのリスクリターンを目指す形を採用しています。いわゆるシーゲル流ポートフォリオです(コア部分のETFがSPYDやHDVなど、市場平均インデックスとは言えないので厳密には違いますが)。
なお、個別銘柄を保有している以上、自分のやっていることはいわゆるアクティブ運用であり、これらアクティブ運用がほとんどの場合、インデックスファンドの買い持ちよりもリターンが低くなる結果となることを理解した上で、あえてこれを行っています。
②単純に楽しいから
2つ目の理由は単純に楽しいからです。趣味のひとつにもなりました。
上記①にも関係することなのですが、長期・積立・分散で淡々とインデックスファンドを買付していくことは自分には合わないだろうという結論になりました。
すなわち、手間がかからない、課税を繰り延べることが出来る、といったインデックスファンドの定期買付のメリットよりも、配当金>生活費のレベルが可視化できるFIREとの相性の良さ、楽しいことは継続できる、ということの方が筆者としては大きかったということです。
「今月はAT&Tから〇〇ドル配当金が入ったなあ」とか、それをエクセルで集計したりするのが単純に好きです。ETFや投資信託よりオーナー感も味わえます。
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銘柄数を増やすことは、分散が効くというメリットの一方、管理の手間が増えるというデメリットもあります。
まだまだ買付初期なので、来年は銘柄数が確実に増えますが、あまり増やしすぎないということも意識しながら臨みたいと思っています。
一つでも参考になれば幸いです。
good luck!
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