高配当株投資にも様々な種類があります。
その中でも、最も魅力的なものの一つが、米国株に多く見られる連続増配銘柄への投資です。
連続増配実績そのものは、強固なビジネスモデルの証明と言えますが、増配率にも注意しましょう。
増配率の多寡は、会社の成長の勢いを見て取れるからです。
ベライゾン・コミュニケーションズ【VZ】の増配率
2社、例を挙げてみます。
まずは、通信セクターのベライゾン・コミュニケーションズ【VZ】。 連続増配年数は15年です。
【VZ】 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 |
1株あたり増配金額(ドル) | 0.05 | 0.05 | 0.05 | 0.05 | 0.05 |
1株あたり配当金(ドル) | 2.3225 | 2.3725 | 2.4225 | 2.4725 | 2.5225 |
増配率(%) | 2.2 | 2.15 | 2.11 | 2.06 | 2.02 |
連続増配年数記録は継続しているものの、表の通り、1株あたり増配金額がここ5年変わらず0.05ドルと増えていません。
このように、連続増配しているにも関わらず、1株あたり増配金額が変わらない場合、増配率は右肩下がりになります。
マイクロソフト【MSFT】の増配率
続いて、マイクロソフト【MSFT】。連続増配年数は18年です。
【MSFT】 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 |
1株あたり増配金額(ドル) | 0.12 | 0.13 | 0.17 | 0.2 | 0.21 |
1株あたり配当金(ドル) | 1.59 | 1.72 | 1.89 | 2.09 | 2.3 |
増配率(%) | 8.16 | 8.18 | 9.88 | 10.58 | 10.05 |
表の通り、連続増配かつ、1株あたり増配金額も毎年増えています。
増配率も、おおむね右肩上がりで推移しています。
増配率と配当利回り、どちらを取るべきか
2社、例を挙げて増配率をチェックしました。
増配率のみに関して言えば、【MSFT】の方が、【VZ】よりも優れています。
しかし、配当利回りは【VZ】の方が高いです。
配当利回り(%) | |
【VZ】 | 4.83 |
【MSFT】 | 0.75 |
増配率と配当利回り、どちらを取るべきか。
今回は、いわゆる高配当株の【VZ】と、いわゆるグロース株の【MSFT】での比較であり、高配当株同士での比較ではありません。
ただし、簿価利回り(Yoc)という意味では、増配率が高いということは将来的には高配当化するということになります。
判断にあたっては、各人の投資期間(長期、中期、短期)にもよりますし、直近で多くの配当金が欲しいかどうかにもよります。
まとめ
増配率をチェックすべき理由は、 会社の成長の勢いを見て取るための一つの指標になるからです。
ただし、EPSや配当性向の推移にも注意が必要です
一般的には、増配率が右肩上がりということは、強固なビジネスモデル、EPSの伸びなどを背景として、積極的な株主還元をしていくという自信の現れとも言えるでしょう。
何か一つでも参考になれば幸いです。
good luck!
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